今話題のエッセイが気になり、先週、車のディーラでの整備の待ち時間に電子書籍として購入し読んでみた。ただ、最初に著者のグラビアのページが何枚も続くため、「若い女性のフォトをスマホでながめてるおっさんがいて、きっとアホ面でニタニタしている」と思われる背後からの構図になるため、公共の場で読むには細心の注意が必要だ。私の主な感想は、「この本を出すなどの今の姿になるというのでなければ、著者は自死していたのではないか?」というものだった。内容は、著者の心がどうであったのかが主体であり、誰かの過去の行為を暴露したり、他人への直接的批判が記されている訳ではない。同じような被害を受けた方が読むのはどうかというと、「自分のために戦う決心がついた後の方がよいのでは」と思う。また、厳密な意味で著者は自分を取り戻されたという訳ではなく、一部は失われ、新たにそこを含め生まれ変わったのだと感じた。巻頭と巻末のフォトは、「生まれ変わった姿を以前と同じように表現したかった」ためと理解した。
蛇足ではあるが、私と同じようないろんなおっさんがこの本を読んでいるのを見かけたとしても、前述のようにアホ面までは間違っていないかも知れないが、父親的スイッチがONになるので決してニタニタしていないと申し述べたい。また、「被害にあったのにフォトエッセイを出すのは理解できない」と、あるおっさんがつぶやいているのをYou Tubeでみかけたが、そういう方に読んでもらってそれをしっかり皆で観察してもらいたい。きっとニタニタする筈だ。ONにするスイッチを間違えるとそういうことになる。