診察のために飼主様に「連行」されてくる動物の気持ちが実感できるときがある。それは、自分が歯医者さんの診察台に乗らなければならないときだ。行く前から落ち着かないし、診察台の上では冷静を装うが心拍は早くなり血圧が上がる。子供のころに親に連行されてゴーとかウィーンとか音がするものを口に突っ込まれた上、痛かった記憶が今も抜けない。幸い大人になると連行されることはなくなったが、そのかわりかなり悪くなってから歯医者さんを訪れることになる。今回も数か月前より歯がおかしいのは分かっていたが、山陽小野田に引っ越してからいつもお世話になっていた歯医者さんは遠くなったし、なぜか多くの歯医者さんはうちと同じく木曜日の午後が休診なので、さらに足は遠のいていた。
普段曲がる交差点よりたまたま1つ早く曲がったら、うちとお休みが異なる歯医者さんを偶然見つけてしまった。それでも2週間は見つけなかったことにしていたが、自分の歯も限界に近づいたため、思い切って予約をした上で動物たちと同じ気持ちで診察台に乗ることになった。
ところが、知らない間に歯医者さんは進化していた。あいかわらずゴーとかウィーンの音はするが、それ以外のハード面やソフト面で不安を解消する工夫が多くなされていた。
歯の治療をしていただいたこと以外に、飼主様や動物たちの不安を軽減するために参考になることも多く、もっと早くに行けばよかったと後悔している。