フィラリア予防について

 左の写真は、フィラリ感染による大静脈症候群(VCS)を呈したわんちゃんから当院で手術により摘出したフィラリアの成虫で、1匹の長さが約20cmあります。幸いこのわんちゃんは救命できましたが、山陽小野田市では一般的に認められる致死的感染症です。昔は、フィラリアを予防する術がなく、多くの犬がこれにより命を失っていました(忠犬ハチ公にも多くのフィラリアが感染していました)。現在は、様々な予防薬が開発され、それらを正しく使用することで完全に発症を抑えることができます。

 

 3月後半から蚊をみますが、感染するためには条件(気温と時間)が必要で、1997年以降で山口県全域で最も早く感染したのは計算上5月2日とされています。フィラリア予防薬は、薬によって多少異なりますが、感染後約1週間から7週間のフィラリアの幼虫を全滅させます。

 山口県では、5月25日から6月1日の間に初回の薬を、また、その後1ヶ月ごとに11月末(12月1日)まで、合計7回 予防薬を服用いただく必要があります。昔からの習慣(蚊が出始めて1ヶ月目から飲ませる)で5月1日(4月末)より開始しても、もちろん問題はありません。

 

 また、当院では1年間効果のある注射プロハート12」も取り扱っております(現在、注射しています)。ワクチンのように毎年同じ時期に接種することで、100%予防できます。毎月1回のフィラリアの薬を嫌がるわんちゃんは、特にご利用をご検討ください。ただし、体重が増加する1歳未満のわんちゃんや、アレルギー体質(ワクチンを接種した後、顔が腫れたなど)のわんちゃん、既にフィラリアに感染しているわんちゃんには接種いたしておりません。なお、犬以外の動物(猫、フェレットなど)には使用しておりません。

動画は、フィラリアに感染しているわんちゃんの血液中を泳ぐミクロフィラリア(フィラリアの子供)です。大量に感染すると検査でこうなります。ご注意ください。

SFTS感染症にご注意!

 宇部市内と山陽小野田市内でSFTSに感染した猫が確認されています。SFTSはマダニから直接感染するだけではなく、SFTSを発症した猫から人が感染発症することがあります。猫は屋内飼育されることをお勧めします。

最終更新日

2024年10月3